こんにちはSATOです。
今回は映画「ODDTAXI イン・ザ・ウッズ」を鑑賞後の皆様向けに、ネタバレありで「アニメ視聴者の映画に対する感想」、「映画で新たに明らかになったことの解説」、「映画で新たに残った謎」の3つのテーマに分けて、解説していきたいと思います。
映画「ODDTAXI イン・ザ・ウッズ」は、木下麦監督による、2022年の日本のミステリー・アニメ映画です。
今作は、漫画家の此元和津也が脚本を手掛けた大人気アニメ「オッドタクシー」の映画化された作品です。
テレビアニメは、第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞した、日本を代表する考察系アニメ作品になりました。
そんな大人気作品が映画化すると分かり、かなり楽しみで興奮したのですが、映画版の8割がアニメのダイジェスト版的な構成だったので、そこは賛否両論あるのではないでしょうか?
本文をお楽しみください。
映画「ODDTAXIイン・ザ・ウッズ」あらすじ
主人公の偏屈で無口な個人タクシー運転手・小戸川は、ある日、乗客の女子高生・花束と出会います。
花束は、謎の集団「バード」と関わりを持ち、その後失踪してしまうのでした。
小戸川は、花束の失踪事件に巻き込まれ、様々な人物と出会っていきます。
大金を持ち逃げした男・田中、売出し中のアイドル・二階堂ルイ、カリスマ大学生・山本など、事件に関わる人物たちはそれぞれ複雑な事情を抱えています。
事件は、予想外の展開を迎え、多くの謎が未解決のまま幕を閉じるのですが、映画では、事件のその後と、新たな真実が描かれています。
TVアニメ版で描かれなかった小戸川の過去や、彼と花束の関係も明らかになりますし、また、事件の裏で暗躍していた人物の存在も浮上し、物語はさらに深みを増していくのです。
果たして、小戸川は事件の真相にたどり着くことができるのでしょうか?
そして、彼の運命はどのように変わっていくのでしょうか?
映画「ODDTAXIイン・ザ・ウッズ」は、先の読めない展開と魅力的なキャラクターたちが織りなす、サスペンスフルなミステリー作品です。
映画「ODDTAXIイン・ザ・ウッズ」は本当にただの総集編なのか?3つのテーマに分けて徹底考察
1:ネタバレアリ感想
まず僕個人の感想ですが、正直かなり困惑した映画でした・・・
映画版プロモーションでは”本当の結末””ついに明かされるオッドタクシーの全て”などのキーワードが出ていて、アニメ版の続編として映画が用意されていると思っていたんですね。
しかし、映画はまさかのアニメ版のダイジェスト構成で、事件に関わった人たちにインタビューする形式でした。
新しい感じの展開があるのかなと思いましたが、もう一度アニメ版を思い出すような映画になっていました。
楽しみにしている既存ファンに、ミスリードさせるようなプロモーションはちょっとどうなのかなと感じましたね。
アニメを見て大満足した後の、待望の映画化だったので、肩透かしを食らったような感じを受けてしまい、少し残念に思いました。
では、ODDTAXIを全く知らない人が今作を観てどう思うのかという点ですが、かなり情報が省かれているので、映画の時間内で内容や設定に追いつくのは結構難しいような気がしました。
アニメ版は1話ごとに考察が進んでいくのでワクワクできる時間があったんですが、映画という形で情報がぎゅっと詰め込まれていると、一方通行な情報収集にとどまってしまって、このアニメの本質的な面白さが損なわれてしまっている印象でしたね。
ただ、批評サイトのコメント欄を見るとアニメファンだった人でも見やすかったと感じた人がいるので、まさに賛否両論といった感じでしょうか。
ただ、そんなダイジェスト版の映画でもアニメ版から明らかになった情報や、新たに残った謎がいくつかあるので、この後のパートでお話ししていこうと思います。
2 新情報の解説
「ODDTAXI イン・ザ・ウッズ」で明らかになったことは大きく2つありました。
2つとも一連の事件の真犯人である、ミステリーキッスの和田垣さくらの被害者の情報です。
和田垣さくらは、盗聴器付ボールペンを使って自分の犯行を知っている可能性がある人物を消そうとします。
怖すぎますよね。
サイコパスは意外と近くにいたりすると考えるとさらに怖さが増してきます。
その全貌はYoutubeにオーディオドラマとして公開されているので、まだ見ていない人がいたら是非見てほしいのですが、オーディオドラマには居酒屋「やまびこ」の女将さんタエ子が、和田垣さくらから危害を加えられている様子が録音されています。
オーディオドラマが公開された時に、タエ子が和田垣に殺されてしまった可能性が浮上しましたが、映画でタエ子が病院に入院していることが明らかになり生存が確認できました。
おそらく、和田垣はタエ子が保持していたボールペンの回収のみが目的だったため、あくまで”脅し”という程度に抑えたのだと思います。
そして明らかになった2つ目の情報は、アニメ版のエンディングの続き、小戸川に関することです。
アニメ版のエンディングではタクシー運転手に復帰した小戸川の元に和田垣が訪れ、タクシーに乗り込み小戸川に向かって微笑むところで終わりを迎えます。
とても印象的でしたし、アニメを見ていて思わず声を出してしまったことを覚えています。
なんとも不気味な終わり方でしたし、完全に小戸川は和田垣に襲われ殺されてしまったと思いました。
この2人の邂逅はどのような結末を迎えたのか?
ある種、アニメファンが一番気になる部分ですよね。
2人の争いの一部始終は映画では描かれませんでしたが、エンドロールで和田垣が管察に捕まっていることがわかります。
そして、小戸川はその様子をテレビで見ているので、小戸川は和田垣の襲撃を避けることができたということですね。
終始、ノワールな雰囲気とコミカルな雰囲気が入り混じるODDTAXIの世界なので、ハッピーエンドとバッドエンドのどちらに転ぶのかなと思っていましたが、ハッピーな方に転んで個人的には嬉しかったです。
本当は、エンドロールで流れたようなアニメ版の伏線回収が映画の本筋になっていればもっと面白かったのかなと思います。
最低限僕たちのクエスチョンには答えてくれた作品という感じですね。
3 映画の”謎”考察
映画の構造の大部分は、アニメのダイジェスト版とアニメ版で残った謎の回収でしたが、本作で回収されていない新たに生まれた謎が2つありました。
1つ目は、事件関係者にインタビューをしていた人は、誰で、なんの目的で行っていたのか?ということです。
調査報告書が集まったときに、キャバ嬢・花音&玲奈、田中の友達・佐藤の3人が書類を見ていたことから、この3人が有力なのかなと個人的には考えているのですが、だとしても、目的が不明です・・・
この3人の会話の中で「タエ子さんに報告しなきゃ」的な発言をしていたような気もするのですが、ちょっとうろ覚えであまり自信がないです・・・
もし、このセリフを言っていたとしたら、タエ子さんが秘密裏に調べていたという可能性はあります。
ただ、取材班とその目的に関する明確な答えは作中に明示されていないので、何か、次回作の展開につながるものかもしれません。
また、来場者特典のシールを剥がすとそこに取材対象と内容がメモされています。
これはあくまでもプレゼント的な役割なのかと思っているのですが、何か知っている人がいたら教えていただきたいですね。
そして、2つ目はポストクレジットの取材班の実写シーンです。
これはまさに”謎”という感じですね。
これまでの事件も一通り全て収束したタイミングでの謎の実写には、違和感しかありませんでした。
このシーンから思い浮かぶ展開として最も考え付くのが、ODDTAXIの実写化ですよね。
ただ、ODDTAXIを実写化するとなるとCGをたくさん使う必要がありますし、かなりのクオリティを求められるのでリスキーな選択だと思いますね・・・
実写化で成功している作品もたくさんありますが、ODDTAXIの場合、少し難しいような気がします。
もしかすると、動物に見えるという設定は除外して、小戸川たちのその後を実写で描く可能性はあるかもしれません。
もう一つの可能性は、実はODDTAXIの世界自体がそもそも実写ベースの世界線という可能性です。
小戸川はあの2次元アニメの世界で人を動物と視認してしまう障害を抱えていましたが、
僕たち観客が見ていたあのアニメの2次元世界も、本当は実写の世界でのお話でした。という可能性です。
現実と思い込みの世界を彷徨う小戸川の疑似体験を、私たち観客にもさせていたという訳ですね。
少し無理のある終わり方のような気もしますが、少なくとも実写化よりは有力な考えだと僕は思いますね。
まとめ
以上で『ODDTAXI イン・ザ・ウッズ』の感想・解説/考察を終わっていきます。
生意気にも厳しい意見をたくさん言わせていただいたのですが、圧倒的な脚本力と伏線、音楽を効果的に用いることでオリジナルの世界観を構築したODDTAXIというコンテンツ自体の価値はいまだ素晴らしいものがあると思います。
なので、また別の形で新シリーズが始まったりしそうですね。
ただ、「実は人間でした」というネタバレは一度しか使えないので次がどのような形になるのか楽しみです。
僕自身とても好きな作品なので、次回作があるとすれば、またかなり期待をしてしまいます。
アニメを観たことがない人は、是非そちらも観ると更にODDTAXIを楽しむことが出来るのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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