【感想】映画「ハケンアニメ!」の面白ポイントを3つに絞ってみた!

映画考察

こんにちはSATOです。

今回は映画「ハケンアニメ!」について、良かった点を感想形式で3つのポイントに分けて解説していきたいと思います。

映画「ハケンアニメ!」は、吉野耕平監督による2022年の日本のコメディ映画です。

この映画は、第12回本屋大賞候補にも選ばれた、人気作家・辻村深月の小説を映画化しています。

日本が世界に誇るアニメーション業界をセンセーショナルに描いた作品になっており、まさにハケン(覇権)アニメが生まれるまでの制作スタッフの情熱と信念が描かれた作品です。

僕と同じく、普通の会社員をしている人であればあるほど心に刺さるそんな作品になっていると感じました。

本文をお楽しみください。

映画「ハケンアニメ!」あらすじ

アニメ業界で監督デビューのチャンスをつかんだ斎藤瞳は、現在崖っぷちのスター監督・王子千晴と争うことになります。

瞳は敏腕プロデューサーやスタッフに振り回されてやる気が空回る一方で、千晴には彼の才能に人生をかけるプロデューサー有科がいるのですが、局側と制作側の間に立たされて苦しい日々を送っていました。

そんなふたりが互いに、諦めずに強い想いで、アニメの頂点を目指し、激しく争っていきます。

「好きだからこそ負けたくない」「好きだからこそ貫ける、そこに伝えたい想いがあるから」果たしてアニメ界の「覇権」を取るのは誰になるのでしょうか?

映画「ハケンアニメ!」はアニメ制作の大変さややりがいを通じて、何かを叶えるために諦めず頑張ることの大切さを思い出させてくれる作品になっています。

アニメーション業界に没頭する狂人たちの信念に感動「ハケンアニメ!」を3つのポイントで解説

感想1 最高の配役と最高の演技

今回はストーリーはそこまで突飛な展開はありません。

ただただ実直に作品に向き合う人たちが描かれています。

しかし、それぞれのキャラクターを演じる役者さんの圧倒的な演技によって、最高の作品に仕上がっているのです。

主人公斎藤瞳を演じる吉岡里帆さんは、新人女性監督として、様々な苦境に立たされながらも、「昔の自分のような人たちに刺さるアニメを作りたい」「天才王子に負けない監督になりたい」そんな思いを持ち続け、とにかくアニメへの思いを、自分にも他人にもぶつけるアツさを持っています。

そして、天才監督・王子千晴を演じた中村倫也さんは、天才の苦悩を表現していました。

天才と言われることへのプレッシャー、それでも天才のように振る舞わなければいけない葛藤、しかし実際は、皆が思っている天才ではなく、誰よりも作品に向き合い、書いて書いて書いて書いて書きまくる。

そんな努力の天才ぶりをモノの見事に体現していました。

そして『サウンドバック 奏の石』のチーフプロデューサーを務めるクールで無愛想な行城を演じる柄本佑さん。

この作品で一番好きなキャラクターです。

序盤はちょっと嫌なやつなんですけどね。

ただ、プロデューサーとして”作品を届ける”ことに最大限注力して奔走する姿は、本当にカッコよく、自分の仕事は面白い作品をとにかく届けること、なぜなら作品と監督を信じているから。と、誰よりもチームを思い、作品を思い、監督を思っていたのは、この行城という男なんですよね。

何かを成し遂げるために、最大限努力する姿はカッコいいと改めて思いましたし、解説にも熱が入るように、本気で取り組んでる人の熱さは周りにいる人や、観ている人にも伝染するんだなと感じました。

それくらい、皆さんの目にたぎる熱意が伝わってきて、この作品を傑作たらしめる素晴らしい演技でした。

感想2:アニメと実写の融合

本作は、それぞれのテレビ局を代表するアニメ同士が毎週視聴率を競い合う構図になっていました。

しかし、それぞれ視聴率が発表されるタイミングや世の中での反響をSNSで表現するシーンは、各アニメキャラクター同士が競り合ったり、アニメエフェクトもかなり取り入れられていました。

中吊り広告や新聞切り抜きなど、リアル空間から、アニメの2次元空間にシームレスに移行し、映像表現の新境地を私たちに見せてくれたように思います。

各アニメキャラクターが、空中で競り合っている際の軌跡もメッセージになっていて、細部までこだわりを感じました。

さらに、往年の名作アニメのポスターが隠されていたり、名台詞なんかも登場して、いろんな世代が楽しめる作品になっていたのではないでしょうか?

まさに「ハケンアニメ!」という映画を通じても、制作に向き合う人々の努力を感じられずにはいられませんでした。

いい物を作るためには、時間や手間がかかってもこだわってやり切るという熱量をこういった所からも感じることが出来る作品だと思います。

これくらいでいいかと、つい妥協したくなる気持ちは誰にでもあると思いますが、そこで止まらずにもっと、もう少し、と突き進めるエネルギーを持つことこの大事さを今作を通じて学びました。

感想3:最終回の内容

「ハケンアニメ!」の作品としての凄さは、この映画の中で制作が進んでいる2つのアニメ

「サウンドバック 奏の石」と「運命戦線リデルライト」が、普通にめちゃめちゃ面白そうなんですよね。

もちろん、映画の中で全話鑑賞することはできないので、キーワードや重要なシーンしか出てこないのですが、それだけで伝わるくらいにめちゃめちゃに面白そうなんです。

それぞれのアニメも超一流クリエイターが作っているので、やはり細部まで素晴らしい手の込みようです。

そしてそのアニメの最終回に、2人の監督の想いが現れていると強く感じました。

「サウンドバック 奏の石」は最終回でハッピーエンドではなく、今の状況を受け入れ、それでいて世界は美しいというEDです。

辛い状況に直面した斎藤監督が、それでもアニメが大好きで、仕事が大好きだと感じたことをそのまま表現した、そんな彼女自身の殻を破るようなラストですよね。

制作スタッフの最後の会議、最高すぎました・・・

「運命戦線リデルライト」の最後は、主人公を死なせることなく、生きて窮地を逃れるというシーンで終わります。

天才王子が悩みに悩んだ末、主人公を死なせるという選択肢ではなく、生きて帰るという選択肢を取ります。

そしてキャラクターたちが、まるで作品を見ているこちらに語りかけるように、生き抜くことの大切さを伝えています。

これは、天才ともてはやされた苦悩から、アニメを描かなくなりそうになっていた王子監督自身が、この作品を通じてアニメを描き続けるという決意を示したラストシーンだと感じました。

ラストに向かっていく各々の葛藤や熱意や想いが、全て最終回に詰まっていました。

どんな人でも苦労や苦悩があって、苦しみながらも乗り越えて頑張っているのです。

相手に負けないことも大事ですが、まず自分に負けないことが何よりも大事ということを痛感させられる映画でした。

まとめ

今回は映画「ハケンアニメ!」について、良かった点を感想形式で、3つのポイントに分けて解説していきました。

近年はさらに日本のアニメーションがとにかくレベルアップしていて、僕たちはそのアニメに一喜一憂しながら、1週間あたりたった30分で消費していますが、その裏に隠された努力や熱意を改めて知ることのできた作品です。

本作を観て1クールのアニメを制作するのに、3年という月日がかかると知り驚きました。

アニメ業界だけではなく、僕たちの普段の生活でも大事なことがたくさん詰まった、まとまりのある良い作品だったと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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