こんにちはSATOです。
今回は映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」での、あるシーンについて解説、考察していきたいと思います。
あるシーンとは物語終盤、雪代円が愛する剣心に対して短刀で頬に傷をつけたシーンです。
映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」は大友啓史監督による2021年の日本のアクション映画です。
この映画は10年の歴史を持つ大人気シリーズ、るろうに剣心最後の作品で、「るろうに剣心 最終章 The Final」(2021)の続編。
シリーズで、今作だけは剣心の過去が描かれるので、時系列では一番最初の物語です。
今まで明かされていなかった剣心の過去とは何だったのか?
本文をお楽しみください。
映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」のあらすじ
動乱の幕末、剣心は最強の人斬り・緋村抜刀斎として恐れられていました。
剣心は、倒幕派の志士・桂小五郎の下で暗殺者として暗躍します。
ある夜、剣心は任務中に暗殺を見られてしまった雪代巴とやむなく、行動を共にするようになります。
剣心はなぜ人斬りになったのか?巴はなぜ剣心を殺そうとするのか?
謎が謎を呼ぶ中、幕府の追手から逃れるため、剣心と巴は二人で農村へと身を隠します。
穏やかな生活の中で、次第に剣心は巴への愛情を深め、人斬りを辞めて新しい人生を歩み始めることを決意します。
しかし、巴には秘密がありました。
その秘密が明らかになった時、二人の運命は大きく動き出します。
剣心の頬に刻まれた十字傷の謎、雪代巴との愛と別れ、そして人斬り抜刀斎が流浪人・緋村剣心となるまでの真実が、今作でついに明かされます。
るろうに剣心 最終章 The Beginningは、壮絶なアクションと切ないラブストーリーが織りなす、シリーズ最後にして最高の映画と言える作品になっています。
悲しき過去、雪代円が剣心の頬に刻んだ傷に関する3つの考察
考察1:巴の「あなた」の意味とは?
巴は辰巳を殺すために持っていた短刀で、清里が残した剣心の頬の傷の上に重ねるように傷をつけます。
このシーンは儚くて切なすぎるのですが、映像や演技がとても綺麗で、すごく印象に残っています。
そして巴は最後に、「あなたごめんなさい」と言い残して、息を引き取ります。
この、巴の言った”あなた”とは、どういう意味でしょうか?
まず考えられるのは、清里への想いです。
清里の恨みを晴らすために、剣心に近づいたにも関わらず、剣心を愛してしまったことへの罪悪感からだと思います。
そして、もう1人の”あなた”とは剣心のことです。
これから剣心が切り拓いていく新しい時代を、共に歩むことが出来ないことへの謝罪だと思います。
とても感慨深いシーンでしたね。
巴が剣心のことを想う気持ちが痛いほど伝わってきました。
では、巴が剣心の頬に傷を刻んだのは何故なのでしょうか?
実は、漫画、アニメ、映画、全てでこの傷に関する明確な理由は説明されていません。
ですが、巴の死後の剣心の行動から考察すると、この傷が剣心に与えた影響は少なくとも2つあると感じました。
考察2:逆刃刀に隠された意味
2つ目は、”不殺の誓い”を守るということです。
剣心は鳥羽・伏見の戦いを最後に、真剣を放棄します。
ここから有名な、刃と峰が逆さになっていて人を殺めることが出来ない不殺の剣、”逆刃刀”を手にするのです。
逆刃刀は、幕末の、刀工・新井赤空が、剣を持たずに流浪の旅に出ようとする剣心に対し、「剣を捨てることで人斬りであったことを忘れるな」という戒めを込めて授けた一振りです。
剣心が巴に誓った”不殺の誓い”を守るために、巴は自分の分身がわりに頬に傷を残したのだと思います。
考察3:剣心に頬につけられた傷の意味
そしてもう一つは、剣心に赦しを与えるために刻んだのではないでしょうか。
剣心にもともとついていた傷は、清里からつけられたものです。
つまり、恨みや怨念、後悔がこめられている傷です。
剣心は新しい時代がきたとしても、もちろんこの罪を背負いながら生きていくわけです。
巴は剣心が罪を背負って生きていくことを理解した上で、剣心を愛した1人として赦しを与えたのではないでしょうか。
巴自身が剣心の元を去っても、剣心が幸せに生き続けられるようにという願いを込めて、許嫁である清里の恨みを赦したのではないでしょうか?
そうだとするとあまりにも切なすぎますよね。
巴は最後まで剣心のことを想い続けて、この傷を残したのだと思います。
愛してはいけないと分かっていながらも愛してしまった剣心と一緒に生きていきたかった巴の無念さを考えると、この傷は二人の繋がりを表す唯一の証でもあると言えるではないでしょうか?
以上が巴が剣心の頬に傷を刻んだ考察となります。
まとめ
今回は、雪代巴が剣心の頬に刻んだ傷に関する3つの考察について書いていきました。
今作で、るろうに剣心シリーズ最後の作品となりますが、最後に相応しい作品だったのではないでしょうか?
映像や演技から観るのが辛くなるほど切なさが滲み出ていて、それでいてとても美しい、素晴らしい作品だと思いました。
全て理解して納得した上で、時系列順にシリーズを見返してみるのも良いかも知れませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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