こんにちはSATOです。
今回は映画「怪物」を3つのポイントから解説していきます。
映画「怪物」は、2023年に公開された是枝監督のヒューマンドラマ系映画。
この映画はNetflixなどでも非常に高い評価を受けており、是枝監督の作品のなかでも最高傑作と言われているそうです。
「怪物」とは、一体なんなのでしょうか?
それでは、本文へどうぞ。
映画「怪物」のあらすじ
シングルマザーの早織は、息子・湊と湖畔の町で平穏な生活を送っていました。
ある日、湊は同級生の依里と喧嘩をしてしまいます。
学校から呼び出された早織は、担任の保利から湊が依里をいじめていたと告げられますが、湊は依里を傷つけていないと主張し、二人の言い分は食い違います。
真実を確かめようと、早織は依里と母親に会いに行きます。
依里は湊から暴力を受けていたと訴え、母親は学校側に厳格な対応を求めます。
一方、湊は依里の嘘に憤り、学校は問題を隠蔽しようと動き始めます。
真実が曖昧なまま、マスコミやSNSが騒動を大きくしていく。
追い詰められた早織は、湊を守るために真実を追求することを決意します。
しかし、真実が明らかになるにつれ、周囲の人々の態度が変化し、早織は孤立していく。
社会の偏見や大人の保身、そしてメディアの無責任な報道によって、傷つき、苦悩する人々。
映画は、現代社会に潜む「怪物」を多角的に描き出します。
映画「怪物」を筆者が3つのポイントから考察
考察ポイント1:同性愛と異性愛
本作は少年たちの同性愛の目覚めが事のきっかけとなっており、それを肯定するような構成となっていました。
同性愛者の湊と依里は性自認について戸惑いを持っていましたが、その結果2人だけの幸せを見つけることができました。
異性愛者の港の父親は不倫相手との旅行中に事故死して、依里の父親は妻と別れガールズバーに入り浸っていました。
この映画では異性愛者の末路死か孤独であり、同性愛者には愛が待ち受けています。
異性愛者が悪いというわけではもちろんありませんが、この対比によって少年たちの愛の清さを印象的に表していますね。
考察ポイント2:うなり笛の意味
依里が持っていた紐に錘をつけてぐるぐると回して音を鳴らすおもちゃ(うなり笛というそうです)には、どんな意味があったのでしょうか?
bgmの1つというのはもちろんですが、個人的にはこの映画の構成を暗喩していると感じました。
本作は1つの出来事を3つの視点から見ていくという内容だったのですが、それぞれの物語では加害者と被害者がそれぞれいました。
第一部では学校の先生が起こした事件に早織が巻き込まれていました。
第二部では学校が起こした事件に先ほどの先生が巻き込まれていました。
人はある特定の角度からしか物事を見れませんが、そのものごとはまるで円のように繋がっていて、一つ一つの事象ではなく全体として見なければいけないという事をこのおもちゃは表しているのではないかと筆者は考えました。
考察ポイント3:「怪物」とは何か?
本作のタイトルは「怪物」ですが、一体怪物とは誰の事だったのでしょうか?
筆者としては、「怪物というのは作品の中には存在しなかった」というのが結論として説得力があると考えています。
本作は3つの視点で描かれ、どの視点でもある人物にとって怪物に該当する人物がいます。
早織にとっては先生、先生にとっては学校、少年たちにとっては学校や親など。
キャッチコピーには「怪物だーれだ?」とあり、犯人を捜すように私たちは作品を見てしまいますが、この作品の中に悪役はいません。
作中で人は一つの視点からしか物事を見れず、怪物探しに明け暮れます。
そんな世界で 少年二人が選んだのは怪物探しではなく自分だけの道を探すことです。
この映画は物事を断片的に捉えない事の重要性を伝えていますね。
モノゴトを多角的な目線で見ることの重要性、それを伝えてくれていますね。
まとめ
今回は映画「怪物」についての考察でした。
誰かを「怪物」として標的にとりがちな世間へ疑問を投げかけているような作品でしたね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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